幕末の英雄というと、土佐藩の坂本龍馬、薩摩藩の西郷隆盛、長州藩の桂小五郎（木戸孝允）など、各藩の志士達が有名ですよね。もちろん、たくさんの志士達のおかげで江戸幕府を終わらせたんですから、みんなが英雄ですよね。
ただ、日本を変えた人物といったら私はこの人を挙げたいと思います。幕臣“勝海舟”です。勝海舟は坂本龍馬などの志士達とは対立する立場の幕府側のお偉いさんで、本当なら明治維新の邪魔者です。実際に邪魔者として暗殺を計画されたこともたくさんあったようです。幕末の英雄、坂本龍馬も初対面では勝を暗殺しにきたんですからね。
では、この勝海舟という人物は何を成し遂げたのでしょうか。一つには、日本海軍の発展に尽力したということが挙げられます。西欧列国に対抗するには海軍が必要と訴えて、海軍操練所を作った人物です。結果としてこれが国力をあげることに繋がっていきました。
そして、もう一つの偉業は、『龍馬を弟子にした』ということが挙げられると思います。「それだけ？」と思われるかもしれませんが、坂本龍馬の活躍は師匠である勝の影響が非常に大きいと言われています。勝は広い視野と新しい考えを持っていましたが、立場上自分では動けないため、そこで弟子である龍馬を動かしたと言っても過言ではありません。そして西郷隆盛を開眼させたのも勝です。志士を操り、将軍を説得し、大政奉還も勝の尽力が大きいと言えるでしょう。実は陰のキーマンかもしれませんね。
そして暗殺しにきた坂本龍馬を弟子にする、なんてとんでもない事をしたんですから、凄い人物ですよね。勝も剣の腕はあるので、本当なら返り討ちにしてもおかしくないところを弟子にしたのです。もしそこで勝が暗殺されていれば、坂本龍馬の活躍はなかったでしょうし、返り討ちにあっても同様ですよね。暗殺しに来た人に、「まぁ、俺の話を聞けよ」って弟子にしてしまうなんて誰にもできません。でも、堂々と昼間に屋敷に行って勝を暗殺しにいったり、そこで勝の話に聞く耳をもっていた、ってところは龍馬の凄いところでもあるんでしょうね。人斬り以蔵をボディーガードにするというのも龍馬の発案みたいですが、それを受け入れた勝も凄いですよね。殺人鬼を自分のボディーガードにしてしまうのですから。
勝海舟がいなかったら、少なくとも江戸城無血開城はなかったでしょうね。勝海舟と坂本龍馬の出会いが明治維新に繋がったと言っても過言ではないと個人的に思っていますので、「日本を変えた人物」として挙げたいと思います。勝海舟についてもっと詳しく知りたい方にはこちらのサイトもおすすめです。→5分でわかる勝海舟
